エコキュートは、省エネ性能の高い給湯器システムですが、何十年と使い続けることはできません。エコキュートには、買い替えたほうが良いタイミングやサインがあるので、タイミングやサインが来たら買い替えを検討してみましょう。
そこで今回は、エコキュートを買い替えるタイミングやサインについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器システムです。ガス給湯器と違い、ヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニットで貯めておき、必要に応じて各所に給湯する貯湯型給湯器になります。
空気の熱を利用することと、電気料金が安くなる深夜にお湯を沸かすので、お湯を沸かすために必要なコストがガス給湯器や電気温水器よりも抑えられていることが最大のメリットです。
次の表は、同じ湯量を沸かすために必要な年間ランニングコストをまとめたものです。
エコキュート | 電気温水器 | 石油給湯機 | ガス給湯器 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約108,000円 | 約81,600円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約80,400円 | 約73,200円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約82,800円 | 約72,000円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約102,000円 | 約67,200円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約99,600円 | 約68,400円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約86,400円 | 約64,800円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約91,200円 | 約68,400円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約126,000円 | 約67,200円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約78,000円 | 約66,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 不明 | 約56,400円 | 約54,000円 |
エコキュートはほかの給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが安いことが魅力です。しかし、使い続けていると買い替えたほうが良いタイミングが発生します。
エコキュートを買い替えたほうが良いタイミングは?
エコキュートを買い替えたほうが良いタイミングは以下の通りです。
- エコキュートが寿命を迎えた時
- 故障や不具合が生じた時
- 給湯効率が低下している時
- 新しい製品が登場した時
上記のタイミングを順番に解説します。
エコキュートが寿命を迎えた時
エコキュートはメーカーや機種ごとに特長や給湯効率などは異なりますが、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かすという基本的な仕組みは共通しており、寿命は10年と言われています。
エコキュートの寿命に関してメーカーの公式発表はありませんが、次の2つの理由から寿命が10年と考えられています。
- エコキュートの修理用部品が販売してから10年を目安に製造終了する
- メーカーの有償保証が最長10年間となっている
エコキュートは10年以上使用し続けていると、メーカー保証が切れてしまうので、修理に費用がかかるようになります。また、メーカーで修理用の部品が製造終了となるので、修理できなくなる可能性が高いです。
そのため、エコキュートは寿命の10年を目安に、新しい製品に買い替えることを検討してみましょう。
故障や不具合が生じた時
エコキュートは、使用しているうちに故障や不具合が生じる可能性があります。
故障や不具合の内容によっては修理費用が高額になります。次の表は、ダイキンエコキュートが故障した時の修理費用の目安です。
故障内容 | 修理費用の目安(税込 |
---|---|
エラーコードが表示される | 17,000円~70,000円 |
蛇口からお湯が出ない | 26,000円~31,000円 |
お湯が沸かない | 36,000円~50,000円 |
お風呂からお湯が出ない | 26,000円~30,000円 |
タンクから水が漏れている | 25,000円~45,000円 |
湯はり量が設定よりも多くなる・少なくなる | 24,000円~51,000円 |
お湯がぬるい・熱すぎる | 25,000円~49,000円 |
追い焚きできない | 25,000円~50,000円 |
リモコンで操作できない | 48,000円~70,000円 |
運転しない | 36,000円~50,000円 |
運転中ファンから異音がする | 24,000円~37,000円 |
上記の金額はあくまでも目安で、実際の金額と異なる場合があります。しかし、メーカー保証が適用されない場合、上記の金額を請求される可能性は高いです。
また、修理しても再び故障する可能性は否定できません。故障するたびに修理費用を支払っていると、お湯を沸かすためのランニングコストを節約できても、出費が嵩みます。
そのため、支出や長期的な観点から考えると、故障や不具合が生じた時は新しいエコキュートに買い替えたほうが良いです。
給湯効率が低下している時
エコキュートは、長年使用していると給湯効率が低下することがあります。給湯効率が摘果する原因は以下の通りです。
- エコキュート内部にゴミが溜まっている
- エコキュート内部の部品が摩耗している
ゴミが溜まっているなら定期的に掃除を行い、部品が摩耗しているなら定期点検で新しい部品と交換してもらえば給湯効率が改善される可能性はあります。
しかし、どれだけ対処をしても給湯効率が下がる時は来ます。給湯効率が下がるとお湯を沸かすための時間や回数が増えてしまい、電気料金が上昇します。
エコキュートの最大のメリットは、お湯を沸かすためのランニングコストが安いことです。給湯効率が下がることで電気料金が上昇してしまうと、エコキュートのメリットが無くなってしまいます。
そのため、エコキュートの給湯効率が下がったら、新しいエコキュートへの買い替えを考えてみましょう。
新しい製品の性能が向上した場合
エコキュートは定期的にバージョンアップやモデルチェンジを行っており、給湯効率が上がったり、新しい機能が追加されたりします。
例えば、省エネ性能の基準となる年間給湯効率は、10年前のエコキュートに比べて10%以上もアップしています。
メーカーや機種によって数値は異なりますが、性能が10%アップしたということは、お湯を沸かすためのランニングコストが10%削減できたことになります。
また、最近では太陽光発電システムとの連携を前提とした「おひさまエコキュート」が販売されています。
従来のエコキュートと違って外気温の高い日中にお湯を沸かすため、ランニングコストがさらに削減でき、お湯を使うまでの時間が短いので放熱ロスを抑えることが可能です。
実際、ダイキンの発表によれば夜間蓄熱型よりもおひさまエコキュートは給湯光熱費を約33%削減できるというシミュレーションもあります。
つまり、使用しているエコキュートに比べて給湯効率が大幅に上昇した、あるいは便利な機能が搭載されている新しい製品が登場した時も、エコキュートを買い替えるタイミングと言えます。
エコキュートを買い替えたほうが良いサイン
エコキュートを使い続けていると次のようなサインが発生する可能性があります。
- エラーコードが頻繁に表示される
- 設定温度までお湯が温まらない
- 設定湯量までお湯が溜まらない
- すぐに湯切れになってしまう
- 使用していると異音がする
- お湯を作るのに時間がかかる
上記のようなサインが繰り返し発生するようになったら、買い替えを検討してみましょう。
エコキュートは長期間使用していると、温度センサーや基板などが故障しやすくなり、上記のようなサインを出すようになります。修理をすれば直る可能性はありますが、何度も繰り返すようになったら、修理するよりも買い替えたほうが経済的です。
エコキュートを買い替えるなら春から夏がおすすめ
エコキュートを買い替えるタイミングやサインを見つけても、秋から冬の場合はすぐに買い替えるのは止めましょう。なぜなら、エコキュートを買い替えるのに最適な季節は春から夏です。
エコキュートは省エネ性能の高い給湯器システムなので、自治体から補助金が出る可能性があります。金額は自治体によって異なりますが、基本的に新しい年度がスタートすると、補助金制度を開始する傾向があります。
補助金制度は先着順で、予算が尽きてしまうと終了します。春に始まった補助金制度は、秋から冬にかけて予算が尽きてしまい終了する可能性は高いです。
エコキュートの相場はメーカーや機種にもよりますが40万円~70万円と高額なので、新年度から始まる補助金制度を利用して買い替えることをおすすめします。
おすすめの補助金制度
自治体の補助金制度は基本的に住んでいる住民が対象となっています。例えば、東京都が出している「東京ゼロエミポイント」は、エコキュートを購入した都民を対象に10,000円分相当のポイントを進呈しています。
そのため、自分の住んでいる自治体で補助金制度が無ければ、補助金を利用してエコキュートを購入できません。
そこでおすすめなのが、国が主導する補助金制度です。
2023年度より、国はエコキュートを購入した方を対象に補助金を出す補助金制度を2つ予定しています。
- 「こどもエコ住まい支援事業」
- 「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」
条件を満たせば、エコキュート1台につき、「こどもエコ住まい支援事業」の場合は27,000円、「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」の場合は50,000円がもらえます。
国民を対象にしている補助金制度なので、住んでいる自治体で補助金制度が無い方に特におすすめです。ただし、補助金制度には条件や手続きなどがあるので、利用したいと考えている方はエコキュートの販売業者に相談してみましょう。
まとめ
以上が、エコキュートを買い替えるタイミングやサインの解説になります。エコキュートの寿命は10年と言われており、寿命を迎えた時や故障や不具合が生じた時、給湯効率が低下している時、新しい製品が登場した時などに買い替えを検討してみましょう。
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