エコキュートはお湯を使いすぎてしまうと湯切れとなり、沸かすまでお湯が使えない時間帯が発生します。湯切れが頻発するとお湯が使えなくて生活が不便になるだけでなく、ランニングコストが高くなる可能性もあるため注意しましょう。
そこで今回はエコキュートの湯切れについて解説します。湯切れが解消されるまでの時間やタンクが空になった場合の対処法なども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの湯切れが解消されるまでの待ち時間は?
エコキュートは電気と空気の熱でお湯を沸かす給湯器です。エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットが夜間にお湯を沸かし、貯湯タンクユニットに溜めておき、必要に応じて各所に給湯します。
湯切れは、貯湯タンクユニット内部に使用できるお湯がない状態のことです。湯切れの状態だと水は出ますが、沸き直しをするまではお湯が使えません。
エコキュートの湯切れが解消されるまでの待ち時間はエコキュートの性能や水温、外気温によって異なりますが、お湯はり1回分の湯量ならおおよそ1時間で沸き上がります。
お湯はりやシャワーを利用したい方は、湯切れの状態だと沸き増し開始から1時間かかると覚えておきましょう。
湯切れになるとタンクは空っぽになるの?
湯切れとは、貯湯タンクユニット内部に一定以上のお湯がない状態を指します。
エコキュートの貯湯タンクユニットは常に満水状態となっており、タンク上部に高温のお湯が、タンク下部に水道水が溜まっています。
お湯はりやシャワーなどでお湯を使う場合、タンク上部の高温のお湯が移動を開始し、途中で水道水と混ぜられ設定した温度まで引き下げられて給湯されます。
日々の生活でお湯を使っていくと、タンク上部のお湯が減っていくと水道水が給水され、設定された時間になるとヒートポンプユニットで温められ、今度はタンク上部に移動します。
つまり、エコキュートが湯切れになったとしても、タンク内部が空っぽになることは無く、内部は一定温度以下の水が溜まっている状態です。
湯切れになってしまう原因は?
湯切れになってしまう最大の原因は、沸かした湯量に対してお湯を使いすぎていることです。
例えば、4人家族でお風呂のお湯を張っている場合、1日の使用量の目安は660L程度になります。
エコキュートは高温のお湯を溜めておき、水道水と混ぜて温度を下げてから各所に給湯するため、貯湯容量が370Lや460Lの貯湯タンクユニットでも、容量以上のお湯を使うことは可能です。
しかし、設定温度が低かったり、お湯を使いすぎたりすると、水道水と混ぜても足りなくなってしまう場合があります。
そのため、湯切れが繰り返し起きてしまう方は、お湯を沸かす設定温度や使い方を変更してみましょう。
お湯を使用していないのに減っている場合がある
お湯を使用していないのに減っていて、湯切れになってしまうのは、貯湯タンクユニット内部の温度が下がっている可能性が高いです。
湯切れとはタンク内部に一定温度以上のお湯が無くなる状態のことを指すため、タンク内部の湯温が一定温度以下になれば、お湯を使用していなくてもメモリが減っていき、湯切れと表示される可能性は十分考えられます。
貯湯タンクユニットはサイズが大きいため、室外に設置することが多い機器です。メーカーごとに保温機能を施していますが、外気温によっては湯温が下がってしまうケースはあります。
また、フルオートタイプを使用していてお風呂の自動保温機能をオンにしていると、エコキュートが浴槽内部のお湯を循環させて温め直しを行います。
温める際に貯湯タンクユニット内部に溜めてあるお湯の熱を利用するため、自動保温機能をオンにしているとタンク内部の温度が下がってしまうケースは珍しくありません。
冬になってから湯切れが発生しやすい場合は、タンク内部の設定温度を上げたり、自動保温機能をオフにしたりしましょう。
沸き増しが終わらない場合は水漏れも疑ってみる
エコキュートのリモコンユニットで湯切れの表示が出ていて、手動で沸き増しを行っているのに終わらない場合は、貯湯タンクユニットの水漏れも疑ってみましょう。
エコキュートは10年以上使用できる給湯器ではありますが、定期的なメンテナンスや点検を行っていなと寿命が短くなり、ある日突然故障してしまう可能性を否定できません。
貯湯タンクユニットはヒートポンプユニットやリモコンユニットに比べて頑丈ではありますが、水漏れの事例が報告されています。
沸き増しを行っているのにお湯の量が増えない、いつまで経っても終わらない場合はタンクの周りの地面を見て、お湯や水が零れていないか確認しましょう。
仮に零れていた場合は、エコキュートの電源を切り、止水栓を止めてから修理業者を呼ぶと良いです。
湯切れを起こさないようにするポイント
湯切れを起こさないようにするポイントは以下のとおりです。
- タンク内部の設定温度を上げる
- 自動保温や追い焚きを使用しない
- 貯湯タンクユニットの容量を大きめにする
上記を順番に解説します。
タンク内部の設定温度を上げる
エコキュートで湯切れを起こさないようにするなら、沸かす湯量を増やすよりも、設定温度を上げたほうが良いでしょう。
エコキュートは高温に沸かしたお湯をタンクで貯めておき、水道水と混ぜて設定温度まで下げてから給湯する仕組みです。
異なる温度の液体を混ぜ合わせる場合、片方の温度が高いほど使用する量は少なくなる傾向があります。
つまり、沸き上げ温度が高いほど、水道水と混ぜるときの量が少なくなるため、結果としてタンク内部のお湯の消費量が少なく済みます。
購入したエコキュートの貯湯タンクユニットが少ない場合や、家族の人数が多い家庭では、タンク内部の設定温度を上げてみましょう。
ただし、この方法はエコキュートの消費エネルギーを増やし、温度を下げるために使用する水道水の割合が増えるため、設定によってはランニングコストが高くなってしまう可能性があるため注意が必要です。
自動保温や追い焚きを使用しない
自動保温や追い焚きは貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯の熱を利用して浴槽のお湯を温めなおすため、水道水の使用量を増やさずに、浴槽内部の湯温を一定に保つ機能です。
便利な機能ではありますが、貯湯タンクユニットの熱を利用しているため、結果として湯切れを招く可能性はあります。
そのため、湯切れが頻繁に起きてしまう方は、自動保温や追い焚きを使用しないように設定を変更しましょう。
貯湯タンクユニットの容量を大きめにする
上記までの方法は、現在使用しているエコキュートで湯切れを起こさないようにするポイントになります。
湯切れが起きてしまう最大の原因は、家族の人数やお湯の消費量に対して貯湯タンクユニットの容量が少ないことです。
そのため、エコキュートで湯切れを繰り返すなら、貯湯タンクユニットの容量が大きい機種への買い替えも検討してみましょう。
貯湯タンクユニットの容量が大きいと、湯切れが発生するリスクを抑えるだけでなく、災害時に使用できる生活用水が増えるといったメリットもあります
エコキュートは貯湯タンクユニットを外部から開けることができ、内部のお湯を生活用水として組み出すことが可能です。
飲用水としての使用は推奨されていませんが、皿洗いやトイレ、身体拭きなどに使える水を常に確保できることは、家族の安心にもつながります。
次の表は、一般的なエコキュートの貯湯容量と家族の人数の目安です。
貯湯容量 | 家族の人数の目安 |
---|---|
300L | 2人~4人 |
370L | 3人~5人 |
460L | 4人~6人 |
550L | 5人~7人 |
あくまでも目安であり、家族の人数や過ごし方によってお湯の消費量は異なります。エコキュートを選ぶ際は、お湯の消費量をある程度計算してから、貯湯容量を決めると良いでしょう。
なお、家族の人数に対して貯湯容量が大きすぎても、お湯を沸かす量を減らせばランニングコストが高額にはなりません。
エコキュートのお湯が無くなった時の対処法
エコキュートのお湯が無くなって湯切れと表示された場合は、手動で沸き増しをおこないましょう。
設定や機能によっては自動沸き増し機能があり、放っておいても自動的に沸き増しがおこなわれますが、電気代節約のために開始する時間が遅い、省エネルギーのため時間がかかるなどの場合があるため、すぐにお湯を使うことができません。
手動で沸き増し操作をすると、短時間で大量のお湯を沸かそうとするため、すぐにお湯が使えるようになります。
メーカーや機種によって多少異なりますが、エコキュートのリモコンユニットに沸き増しのボタンがあるので、湯切れと表示されたら押してみましょう。
エコキュートのタンクが空になった場合の対処法
この場合の「タンクが空になった」は、貯湯タンクユニット内部が空っぽの状態を指します。
基本的にエコキュートの貯湯タンクユニット内部は水やお湯で満たされていますが、ご自宅を長期不在で留守にする際や、タンク内部の不純物を排出するために、水抜きをしておくことが推奨されています。
タンク内部に水が溜まったままの状態で使用したり、放置したりすると、雑菌が繁殖し不衛生な状態になります。そのため、長期不在時やメンテナンスの際にはタンク内部の水をすべて抜いておくことが必要です。
長期不在やメンテナンスで水抜きをしたら、次の手順でエコキュートのお湯を沸かします。
- 1. 排水栓が閉まっていることを確認する
- 2. 給水止水栓を開く
- 3. 逃し弁レバーを基の位置に戻す
- 4. 漏電遮断器をオンにする
- 5. エコキュートの電源をオンにする
- 6. 沸き増しボタンを押す
あとは、お湯が使える程度まで沸くのを待ちましょう。
日中に沸き増しすると損をする
基本的に、エコキュートが湯切れを起こしたら沸き増しをすれば問題は解決します。
しかし、日中に沸き増しをすると損をする可能性があるため、あまりおすすめできません。
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。省エネルギー性能が良く、ガス給湯器や電気温水器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストを抑えることができます。
エコキュートのランニングコストが安い理由の1つに、季節別時間帯別電灯と契約することも挙げられます。季節別時間帯別電灯とは時間帯や季節によって電気量料金単価が変動する料金プランです。
例えば、関西電力エリアでエコキュートを購入すると「はぴeタイムR」に加入します。
はぴeタイムR | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
基本料金 | 最初の10kWまで | 1契約 | 2,409.40円 | |
10kWを超える1kWにつき | 1kW | 416.94円 | ||
電力量料金 | デイタイム (平日10時~17時) |
夏季 | 1Wh | 28.87円 |
その他季 | 26.24円 | |||
リビングタイム (平日7時~10時・17時~23時、休日扱い日の7時~23時) |
22.80円 | |||
ナイトタイム (毎日23時~翌7時) |
15.37円 |
季節別時間帯別電灯では日中に比べて夜間のほうが電気量料金単価は割安となっているため、エコキュートは夜間にお湯を沸かすように設定されています。
しかし、湯切れとなって日中に沸き増しをすると電気量料金単価が高い時間帯のため、ランニングコストが高くなってしまう可能性は否定できません。
日中に沸き増しを繰り返していると、エコキュートの最大のメリットであるランニングコストの節約効果が減ってしまうと覚えておきましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの湯切れの解説です。湯切れが発生した場合、エコキュートの性能や外気温などにもよりますが、おおよそ1時間程度でお湯はり1回分のお湯が沸きあがります。
お湯を沸かす量に対して消費する量が多いと湯切れが発生するため、設定温度やお湯の使い方を見なおしたり、貯湯容量が大きいエコキュートへの買い替えを検討したりしてみましょう。
湯切れが起きてしまった場合は沸き増し操作をして、待っていればお湯が使えるようになります。なお、水抜きで貯湯タンクユニットが空になった場合は、排水栓や給水止水栓などを閉じてから、沸き増しをおこないましょう。
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