入浴剤を使用すると温熱効果によって血行促進を高め、リラックス効果を期待できます。そのため、お風呂の際に入浴剤を使う方は少なくありません。
しかし、エコキュートでは入浴剤の使用に制限があり、推奨商品以外は使用できないため注意が必要です。
そこで今回は、エコキュートで使用できる入浴剤をメーカーごとに解説します。入浴剤を使用する際の注意点や、使用後の掃除の方法も紹介するため、最後までご覧ください。
エコキュートの給湯方法によっては入浴剤が使用できない
エコキュートの給湯方法はフルオートタイプ、オートタイプ、給湯専用タイプの3種類があり、次のような違いがあります。
特徴 | |
---|---|
フルオートタイプ | ボタン1つでお湯はりから保温まで行える 機能が多く、追い焚き機能がある |
オートタイプ | お湯はりを自動で行う 追い焚き機能がない |
給湯専用タイプ | 蛇口からお湯を張り、ご自身で止める 追い焚き機能がない |
基本的にオートタイプと給湯専用タイプは追い焚き機能がないため、入浴剤の使用に制限がありません。一方、フルオートタイプは追い焚きがあるため入浴剤の使用に制限があります。
追い焚き機能とは、浴槽内部のお湯を専用の配管で貯湯タンクユニットに戻し、タンク内部のお湯の熱を利用して温めなおしてから浴槽に戻す機能です。
貯湯タンクユニット内部のお湯を消費することなくお湯の温度を上げることができる機能ですが、浴槽内部に含まれている成分が配管に影響を与える可能性は否定できません。
つまり、入浴剤の種類や成分によってはフルオートタイプのエコキュートの故障につながるため、入浴剤の使用に制限があります。
使用できる入浴剤はメーカーごとに異なる
エコキュートメーカーは独自で試験をおこなっており、自社の製品で使用できる入浴剤を公表しています。メーカーによって使用できる入浴剤に違いがあるため、エコキュートを選ぶ際の参考にしてみましょう。
次項より、エコキュートメーカーごとの使用可能な入浴剤を紹介します。
パナソニック
パナソニックで使用できる入浴剤は以下のとおりです。
- バブ(にごりタイプ・パウダー配合は除く)
- バスクリン・きき湯(にごりタイプは除く)
- バスロマン(にごりタイプは除く)
上記の入浴剤なら、パナソニックのエコキュートで使用可能です。入浴剤の使用説明書をよく読んで使いましょう。
なお、次に該当する入浴剤の使用は禁止されています。
- 推奨品以外の発泡系やバスバブル、石鹸など
- 生薬(葉、茎など固形のもの)
- ミルク成分配合やとろみ系のもの
- 硫黄や酸、アルカリ、塩分などを含んだもの
三菱電機
三菱電機で使用できる入浴剤は以下のとおりです。
使用できる入浴剤 | |
---|---|
2010年発売以降の機種 | バブ(にごりタイプ・パウダー配合は除く) |
2016年発売以降の機種(Pシリーズのみ) | 薬用あわ入浴剤ボトルタイプアンパンマン ハウス オブ ローゼ アロマルセット ボディウォッシュ&バブルバス |
2018年発売以降の機種 | バスロマン(にごりタイプは除く) バスクリン(にごりタイプは除く) |
三菱電機の場合、2010年~2017年までに販売されたモデルはバブ(にごりタイプ・パウダー配合は除く)のみ、2018年以降に販売されたモデルではバスロマン(にごりタイプは除く)とバスクリン(にごりタイプは除く)が使用できます。
また、マイクロバブルを体験できる「ホットあわー」機能が搭載されているPシリーズの2016年以降に販売されたモデルでは、薬用あわ入浴剤ボトルタイプアンパンマンと、ハウス オブ ローゼ アロマルセット
ボディウォッシュ&バブルバスも使用可能です。
わかりづらいですが、基本的にPシリーズの最新モデルなら、上記の入浴剤がすべて利用できると覚えておきましょう。
なお、次の入浴剤の使用は禁止されています。
- 推奨商品以外で炭酸ガスにより発泡させるもの
- 濁り湯状にさせる炭酸カルシウムを含むもの
- 硫黄成分が含まれるもの
- 塩化ナトリウムを含むもの
- シリカ成分(無水ケイ素)を含むもの
- 硫黄成分を含むもの
- 塩化ナトリウムを含むもの
ダイキン
ダイキンで使用できる入浴剤は以下のとおりです。
- バブ
- 温泡
- バスロマン
- きき湯
- バスクリン
- ソフレ
- 日本の名湯
ダイキンで使用可能な入浴剤の種類は幅広く、ほかのメーカーでは使用不可なことが多い「バスクリン」のにごり湯タイプにも対応しています。
ダイキンのフルオートタイプには微細な泡で温浴効果を得られるバブル機能「ウルトラファインバブル」が利用できる機種もあるため、使用可能な入浴剤のなかには泡タイプもあることも特徴です。
お風呂に入るときに、さまざまな入浴剤を使用したい方はダイキンのエコキュートを検討してみましょう。
なお、次に当てはまる入浴剤の使用はできません
- 推奨商品以外で酸やアルカリ、硫黄、塩などを含む入浴剤や温泉水
- 固形物を含む生薬やとろみ成分の含まれるもの
コロナ
コロナで使用できる入浴剤は以下のとおりです。
- バブ(にごりタイプ・パウダー配合は除く)
- バスクリン・きき湯(にごりタイプは除く)
- バスロマン(にごりタイプは除く)
基本的に、パナソニックと同じ種類の入浴剤が使用できます。また、次のような入浴剤は使用できないため注意しましょう。
- 推奨商品以外で炭酸ガスにより発泡させるもの
- 硫黄や酸、アルカリ、塩分などを含んだもの
日立
日立のエコキュートで使用可能な入浴剤は以下のとおりです。
- バブ・バブ 和風ごこち
- バスクリン・バスクリンクール
- きき湯・きき湯アロマリズム
- バスロマン・バスロマンクール
上記のシリーズで、にごり湯タイプ以外の商品なら使用できる可能性は高いです。ただし、一部商品は使用できないとなっているので、事前に確認しましょう。
また、次のような入浴剤も使用できないため注意が必要です。
- 推奨商品以外で炭酸を発するもの
- 硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだもの
- にごるタイプやとろみ系
- 固形物が溶けないで残るもの
東芝
東芝で使用できる入浴剤は以下のとおりです。
- バブ・マイクロバブ(にごりタイプは除く)
- バスクリン・きき湯(にごりタイプは除く)
- バスロマン(にごりタイプは除く)
東芝もバブやバスクリン、バスロマンといった基本的な入浴剤のみ使用可能となっています。また、推奨商品以外で次のような入浴剤は使用できません。
- 硫黄・酸・アルカリ・塩分・ミルクやミルク成分を含んだもの
- 浴槽に沈殿物(にごり成分)が残るもの
- 生薬(固形のもの)
- 発泡系のもの
エコキュートで入浴剤を使用する際の注意点
エコキュートで入浴剤を使用する際の注意点は以下のとおりです。
- 入浴剤が原因の故障はメーカー保証外になる可能性がある
- 複数の入浴剤を混ぜてはいけない
- 入浴剤を使用するとすべりやすい・変色しやすい
上記の注意点を順番に解説します。
入浴剤が原因の故障はメーカー保証外になる可能性がある
推奨商品以外の入浴剤を使用していると、次のような故障が発生する可能性があります。
- フィルターの目詰まり
- 配管内部のセンサーの誤作動
- 配管内部が錆びたり腐食したりする
エコキュートにはメーカー保証が付いており、通常の使用で発生した故障やトラブルに対してはメーカー保証期間内なら無料で対応してもらえます。
しかし、推奨商品以外の入浴剤を使用して発生した故障やトラブルは「通常の使用」とみなされないことが多く、保証期間内でもメーカー保証が利用できません。
エコキュートの修理代金は故障やトラブルの内容によって異なりますが、2万円~6万円程度が相場となっています。故障が繰り返すと性能が低下し、買い替える必要もあるため、推奨商品以外の入浴剤は使用しないように注意しましょう。
複数の入浴剤を混ぜてはいけない
入浴剤を使用する際は、複数の入浴剤を混ぜてはいけません。
推奨商品の入浴剤はメーカーが自社製品を用いて実験しているため、安全が確認されています。
しかし、複数の入浴剤を混ぜてしまうと濃くなってしまい、推奨商品であっても故障やトラブルを招く原因になる可能性は高いです。そのため、複数の入浴剤を混ぜないようにしましょう。
入浴剤を使用するとすべりやすい・変色しやすい
入浴剤は含まれている成分にもよりますが、浴槽の床や周りが滑りやすくなったり、変色したりする場合があります。
入浴剤を使用したあとはシャワーで洗い流し、浴室リモコンに付着した水滴は乾いた布で拭きましょう。時間が経つと入浴剤の色素が落ちにくくなり、色が付いてしまうので、早めに対処すると良いです。
エコキュートで入浴剤を使用した場合の掃除
エコキュートで入浴剤を使用した場合は、必ず自動配管洗浄機能をオンにしましょう。
機種によって細部は異なりますが、フルオートタイプのエコキュートには自動配管洗浄機能が付いている傾向があります。
例えば、パナソニックのエコキュートはお風呂のお湯を抜く際に自動配管洗浄機能がオンになっていると、残り湯が風呂配管内部を循環して自動で掃除をします。
配管洗浄機能を活用することで、配管内部に沈殿する入浴剤の成分を洗い流すことが可能です。
ただし、入浴剤入りの残り湯で配管洗浄をすると、洗浄効果が低下する場合があります。機種によっては手動配管洗浄機能があり、貯湯タンクユニットからお湯を出して配管を掃除することができるため、手動機能があるなら活用しましょう。
また、半年に1度のペースで専用の洗剤を用いて風呂配管を洗浄すると、清潔な状態を維持できます。
エコキュートを購入するメリットは?
エコキュート以外にガス給湯器や石油給湯器、電気温水器などの給湯器があります。
エコキュートのフルオートタイプは入浴剤の制限があり、ほかの給湯器に比べると初期費用が高いなどのデメリットはありますが、ランニングコストを大幅に節約できるという大きなメリットがあります。
次の表は、同じ湯量を沸かした場合のランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは性能やお湯の使い方によって異なりますが、エコキュートのランニングコストが抑えられていることが分かります。
エコキュートの初期費用は高額ですが、10年以上使用していれば初期費用の差額を回収でき、以降は節約効果も期待できます。
また、エコキュートに限らず、追い焚き機能が搭載されているフルオートタイプの給湯器では入浴剤の使用に制限がかかっています。
つまり、給湯器を購入するなら、ランニングコストを大幅に抑えられる可能性が高いフルオートタイプのエコキュートがおすすめです。
エコキュートはどれを選べばいいの?
フルオートタイプのエコキュートは入浴剤に一定の制限があります。そのため、入浴剤だけを考えたら、フルオートタイプよりもオートタイプや給湯専用タイプのほうが良いように思えます。
しかし、ランニングコストや機能などを考えると、エコキュートを購入するならオートタイプや給湯専用タイプよりもフルオートタイプのほうがおすすめです。
次の表は、三菱電機のフルオートタイプ、オートタイプ(エコオート)のランニングコストをまとめたものになります。
フルオートタイプ | オートタイプ(エコオート) | 給湯専用タイプ | |
---|---|---|---|
1月 | 5,449円 | 6,150円 | 6,307円 |
2月 | 4,784円 | 5,425円 | 5,563円 |
3月 | 3,896円 | 4,419円 | 4,533円 |
4月 | 3,427円 | 3,895円 | 3,994円 |
5月 | 2,964円 | 3,371円 | 3,455円 |
6月 | 2,357円 | 2,663円 | 2,730円 |
7月 | 1,838円 | 2,121円 | 2,176円 |
8月 | 1,486円 | 1,709円 | 1,754円 |
9月 | 1,687円 | 1,931円 | 1,980円 |
10月 | 2,542円 | 2,861円 | 2,933円 |
11月 | 3,020円 | 3,396円 | 3,482円 |
12月 | 3,726円 | 4,200円 | 4,307円 |
合計 | 37,176円 | 42,141円 | 43,214円 |
実際のランニングコストはエコキュートを使用している環境や性能、家族の人数などによって異なりますが、基本的にオートタイプや給湯専用タイプよりも、フルオートタイプのほうが給湯保温効率や省エネ機能は優れています。
エコキュートは10年以上使用できる給湯器のため、電気代が年間7,000円~10,000円違えば、10年間で70,000円~100,000円の節約効果を期待できます。
また、三菱電機のエコキュートの場合、マイクロバブルによって温浴効果を得られる「ホットあわー」や深紫外線による浴槽内の除菌効果を期待できる「キラリユキープplus」などの機能はフルオートタイプにしか搭載されていません。
確かに、フルオートタイプは入浴剤の使用に制限はありますが、ほかのメーカーでも、給湯保温効率や省エネ機能、快適な機能はフルオートタイプにのみ搭載されている傾向があります。
そのため、お風呂のランニングコストを節約したり、快適に過ごしたりしたい方は、フルオートタイプがおすすめです。
まとめ
以上が、エコキュートで使用できる入浴剤の解説になります。エコキュートのフルオートタイプで入浴剤を使用するなら、大抵のメーカーでバブ・バスクリン・バスロマンのにごり湯タイプ以外が推奨商品となっているため、好みの入浴剤を選びましょう。
また、ダイキンはほかのメーカーでは使用できないにごり湯タイプが利用でき、日立は多くの商品を試しているため推奨商品の数が多いです。さまざまな入浴剤を使用したい方は、ダイキンや日立のエコキュートの購入をおすすめします。
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