エコキュートはメーカーによって搭載している機能やバリエーションなどが異なります。そのため、エコキュートを購入する際は、メーカーごとの特色の違いについて知っておくことが重要です。
そこで今回は、エコキュートメーカーの違いを解説します。メーカーごとの機能やバリエーションなどの特色をわかりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの主要なメーカーは?
エコキュートの主要メーカーは以下のとおりです。
- パナソニック
- 三菱
- ダイキン
- コロナ
- 日立
- 東芝
過去には上記以外のメーカーもエコキュートを販売していましたが、エコキュートから撤退、あるいは新モデルやマイナーチェンジを行わなくなったため、現在は上記の6つのメーカーをエコキュートの主要なメーカーと呼びます。
パナソニックと三菱はエコキュートに搭載されている機能数やバリエーションが豊富で、トップシェアを争っています。
次いで、ダイキンやコロナはエコキュートの性能と価格のバランスがよく、日立や東芝は他のメーカーにない機能を搭載しているエコキュートを販売しています。
次項より、メーカーごとの特色や2023年時点のハイエンドモデルなどを順番に解説します。
パナソニックエコキュートの特色
パナソニックエコキュートの特色は、「高性能でバリエーションが豊富なこと」です。2023年時点で販売しているシリーズは以下のとおりです。
- ウルトラ高圧フルオート
- パワフル高圧薄型フルオート
- フルオート
- 薄型フルオート
- コンパクトエコキュートフルオート
- セミオート
- 給湯専用
- 床暖房機能付フルオート
上記のシリーズは貯湯容量や機能などが異なっており、選択肢が豊富なのでライフスタイルや家族の人数などにあったエコキュートを選びやすいです。
2023年8月時点でパナソニックエコキュートのハイエンドモデルは「HE-JPU37LQS」になります。JPシリーズのウルトラ高圧フルオートタイプのエコキュートで、次のような機能を搭載しています。
概要 | |
---|---|
ウルトラ高圧給湯 | 325kPaの水圧にパワーアップ |
ソーラーチャージ | 太陽光発電の余剰電力を有効活用する機能 |
温浴セレクト | 家族ごとの好みの湯温を簡単に選べる |
AIエコナビ | センサーが人の出入りに反応してふろ保温をコントロールする |
リズムeシャワープラス | シャワーの流量や温度を一定リズムで変動させて、省エネと節水効果が得られる |
ぬくもりチャージ | 翌日分のお湯はりのエネルギーを節約する |
パナソニックエコキュートの代表的な機能と言えば、「AIエコナビ」や「リズムeシャワープラス」、「ぬくもりチャージ」などの省エネ・節水効果が期待できる機能です。また、「ソーラーチャージ」によって太陽光発電システムトの連携もしやすくなっています。
ほかにも、2023年以降のモデルでは、「ウルトラ高圧給湯」を搭載しています。従来のパナソニックエコキュートはシャワーの水圧が180kPa、もしくは280kPaでしたが、ウルトラ高圧給湯と付いている機種では325kPaにアップします。
エコキュートは貯湯式給湯器のため、お湯を貯めておく時に水圧を減圧するので、シャワーの勢いがガス給湯器に比べて弱いです。しかし、パナソニックエコキュートの325kPaは他のエコキュートに比べて高い数値となっており、快適性が増しています。
エコキュートの省エネ性能を示す年間給湯保温効率も4.0と高い水準なので、高性能なエコキュートを欲しい方はパナソニックエコキュートを検討してみましょう。
三菱エコキュートの特色
三菱エコキュートの特色は、「すべての面で優れている」ことです。2023年時点で販売しているシリーズは以下のとおりです。
- Pシリーズ
- Sシリーズ
- EXシリーズ
- Aシリーズ
三菱エコキュートはハイエンドモデルのPシリーズ、一部機能を搭載していないハイグレードなSシリーズ、ZEH住宅向けのEXシリーズ、シンプルで価格が抑えられているAシリーズの4つのシリーズが展開されています。
SシリーズとAシリーズでは、貯湯容量が300Lや180Lのエコキュートを販売しているので、家族の人数が少ない方におすすめです。また、SシリーズとAシリーズは貯湯タンクの形状がコンパクトや薄型などもあるので、敷地に合わせて選ぶことができます。
2023年8月時点で三菱エコキュートのハイエンドモデルは「SRT-P376UB」になります。Pシリーズのエコキュートで、次のような機能を搭載しています。
概要 | |
---|---|
こだわりの先進仕様 | 高効率にお湯を上手に沸かせるシステム |
フルオートW追いだき | 湯はりからふろ保温、追い焚きなどをボタン1つで操作可能 |
ホットあわー | マイクロバブルで湯冷めしにくく、肌に潤いをプラスする |
キラリユキープPLUS | 深紫外線採用のUV-LEDユニットにより残り湯内の雑菌を除菌 |
バブルおそうじ | マイクロバブルの泡によって配管内に付着した汚れを落とす |
ホットりたーん | 残り湯の熱を回収して、翌日の給湯を効率よく行う |
ハイパワー給湯 | 290kPaの水圧でシャワーやお湯はりが可能 |
おそうじ湯はリンク | 浴槽のおそうじから湯はりまで、対応するシステムバスとエコキュートが連携可能 |
三菱エコキュートは、貯湯タンクユニットに断熱性能の高い真空断熱材とウレタンを用いたサーモンジャケットタンクを使用し、ヒートポンプユニットに4条ガスクーラーとポキポキモータを採用しています。
「こだわりの3つの先進仕様」に加えて、残り湯の熱を利用して給湯する「ホットりたーん機能」により、「SRT-P376UB」の年間給湯保温効率は4.2と他のエコキュートと比べてトップクラスに高いです。
また、三菱エコキュートはマイクロバブル機能を用いた「ホットあわー」と深紫外線による除菌効果を期待できる「キラリユキープPLUS」の両方を搭載しています。バブル機能とUV機能を搭載しているメーカーは2023年時点では三菱とダイキン、日立の3社のみです。
ほかにも、三菱エコキュートはTOTOのシステムバスとの連動機能があり、お湯を抜く、配管掃除、浴槽掃除、栓を閉める、お湯はりの工程を自動で任せられる「おそうじ湯はリンク」機能があります。
三菱エコキュートは搭載している機能がトップクラスに多く、省エネ性能も非常に高いです。また、貯湯タンクユニットのバリエーションも豊富なので、すべての面で高い評価を獲得しています。
機能性と省エネ性能を両立しており、敷地にあったエコキュートを探している方は、三菱エコキュートを検討してみましょう。
ダイキンエコキュートの特色
ダイキンエコキュートの特色は、「機能性とコストパフォーマンスのバランスが良い」ことです。2023年時点で販売しているシリーズは以下のとおりです。
- パワフル高圧Xシリーズ角型
- パワフル高圧角型
- 高圧角型
- パワフル高圧Xシリーズ薄型
- パワフル高圧薄型
- オートタイプ
- 給湯専用タイプ
ダイキンエコキュートの貯湯容量は460Lと370Lの2種類しかありません。貯湯容量のバリエーションは他のメーカーに比べると少ないですが、生産ラインを絞っている分、価格を抑えられていると言えます。
また、他のエコキュートメーカーはヒートポンプユニットが故障した場合、ヒートポンプユニットだけの交換はできません。しかし、ダイキンはヒートポンプユニットのみの交換が可能なことも大きな特徴です。
ほかにも、ダイキンエコキュートはフルオートタイプでも、多くの入浴剤にも対応しています。他のメーカーでは利用できない「にごり湯」タイプの入浴剤も使用可能なので、入浴剤を使いたい方におすすめです。
2023年8月時点でダイキンエコキュートのハイエンドモデルは「EQX37XFV」になります。フルオートタイプのパワフル高圧Xシリーズ角型で、次のような機能を搭載しています。
概要 | |
---|---|
おゆぴかUV | 除菌効果に優れた深紫外線により、短時間での除菌が可能 |
パワフル高圧給湯 | 320kPaの水圧によりシャワーが快適 |
ウルトラファインバブル入浴 | 微細な泡により温浴効果、美肌効果、洗浄効果を期待できる |
昼間シフト天気予報連動 | 翌日の天気予報から最適な沸き上げ時刻を判断する |
温浴タイム | 家族ごとの好みの温度に合わせて設定が可能 |
自動風呂配管洗浄 | 残り湯を利用して風呂配管を洗浄する |
ダイキンエコキュートの2023年モデルから、「おゆびかUV」が搭載されています。除菌効果に優れた深紫外線ユニットにより、残り湯内部の菌の増殖を抑える機能で、残り湯の嫌なニオイやぬめりが発生しません。
ダイキンエコキュートは微細な泡によって3つの効果を得られる「ウルトラファインバブル入浴」機能も搭載していました。そのため、2023年以降のモデルは、除菌機能とバブル機能を兼ね備えた、3つ目のエコキュートになります。
ほかにも、家族ごとの好みの湯温に設定できる「温浴タイム」や、太陽光発電システムとの連携に役立つ「昼間シフト天気予報連動」など、三菱エコキュートのように多彩な機能を搭載しています。
ただし、「EQX37XFV」の年間給湯保温効率は3.6となっており、他のエコキュートメーカーと比べて高いわけではありません。そのため、多くの機能を利用できて、なおかつエコキュートの価格を抑えたい方におすすめです。
コロナエコキュートの特色
コロナエコキュートの特色は、「バリエーションが豊富で、性能が高い」ことです。2023年時点で販売しているシリーズは以下のとおりです。
- プレミアムエコキュート
- ハイグレードタイプ
- 薄型タイプ
- 省スペース・スリムタイプ
- スタンダータイプ
- エコキュートライト
- 集合住宅向け
上記のシリーズのうち、スタンダードタイプには300L、エコキュートライトには185L、集合住宅向けには300Lと185Lの貯湯タンクユニットがあります。また、薄型タイプは貯湯タンクユニットの奥行きが45cmしかなく、集合住宅向けはマンションに設置しやすい構造となっています。
設置したいスペースに合わせて商品を選ぶことができるので、コロナエコキュートのバリエーションは豊富と言えます。
2023年8月時点でコロナエコキュートのハイエンドモデルは「CHP-HXE37AY5」になります。プレミアムエコキュートで、次のような機能を搭載しています。
概要 | |
---|---|
高圧力パワフル給湯 | 290kPaの水圧でシャワーが利用できる |
ES制御 | 効率よくお湯を沸かすため年間給湯保温効率が高い |
入浴サポート機能 | 音声モニターやふろ自動一時停止などの機能により安全性が高い |
コロナエコキュートは独自の「ES制御」を搭載しています。高効率スクロールコンプレッサーによって効率よく空気を圧縮し、7つの温度サーミスタによって温度管理を細かく行い、省エネ給湯回路で無駄なくお湯を使いきります。
そのため、「CHP-HXE37AY5」の年間給湯保温効率は4.0となっており、他のエコキュートメーカーと比べて高い数値となっています。
また、コロナエコキュートはリモコンユニットに音声モニターを搭載しています。一回最長60分まで、浴室の音を聞くことができるので、子どもが一人で入っていても安全を確認できます。
ほかにも、ふろ自動一時停止や高温さし湯などの機能があるので、子育てで忙しい方の頼れる味方です。
コロナエコキュートは他のエコキュートメーカーに比べると機能性に優れているとは言えません。
しかし、貯湯容量やタンクの形状のバリエーションは豊富で、エコキュートの性能が全体的に高いです。コストパフォーマンスに優れている機種もあるので気になる方はチェックしてみましょう。
日立エコキュートの特色
日立エコキュートの特色は、「ほかのエコキュートメーカーにない仕組みでお湯を沸かしている」ことです。2023年時点で販売しているシリーズは以下のとおりです。
- [水道直圧給湯]フルオートナイアガラ出湯
- [水道直圧給湯]フルオートナイアガラタフネス
- フルオート
- 給湯専用
[水道直圧給湯]フルオートナイアガラタフネは硬度の高い水道水や井戸水エリアでも設置できるエコキュートです。
硬度の高い水道水や井戸水では不純物が含まれていることが多く、普通のエコキュートを使用していると目詰まりを起こす可能性があります。
しかし、[水道直圧給湯]フルオートナイアガラタフネスは日立独自の技術に目詰まりの原因となる不純物の流入を軽減しているため、通常のエコキュートが設置できないようなエリアでもエコキュートを設置できます。
2023年8月時点で日立エコキュートのハイエンドモデルは「BHP-FV37WD」になります。[水道直圧給湯]フルオートナイアガラ出湯で、次のような機能を搭載しています。
概要 | |
---|---|
水道直圧給湯 | 水道水の水圧をそのまま利用できる |
きらりUVクリーン | 深紫外線により菌の増殖を抑制 |
シルキー快泡浴 | 微細でなめらかな泡が肌を優しく包み込む |
ウレタンク | 断熱性が高く、高い耐震性能を持つ |
一般的なエコキュートはヒートポンプユニットで空気を圧縮して生み出した高温でお湯を沸かして、貯湯タンクユニットに貯めておき、必要に応じて各所に給湯します。そのため、エコキュートは貯湯式給湯器に分類されます。
日立エコキュートの[水道直圧給湯]とは、貯湯タンクユニットで貯めたお湯の熱を利用して水道水を温めて給湯する仕組みです。そのため、ガス給湯器のような瞬間式給湯器に近く、水道水の水圧をそのまま利用するので、シャワーや給湯の水圧が高いです。
ほかにも、日立エコキュートは深紫外線で残り湯の菌の増殖を防ぐ「きらりUVクリーン」や、微細でなめらかな泡が肌を優しく包み込んで綺麗にする「シルキー快泡浴」といった、UV機能とバブル機能の両方を兼ね備えています。
ただし、三菱エコキュートの「キラリユキープPLUS」とダイキンエコキュートの「おゆぴかUV」は除菌機能ですが、日立エコキュートの「きらりUVクリーン」は菌の増殖を抑制するだけで、菌の数が減る機能ではありません。
日立エコキュートは水道直圧給湯が可能なため、水道水の水圧が500kPaなら、500kPaの水圧でシャワーを利用できます。そのため、シャワーの水圧を強くしたい方、あるいは特殊な水質のエリアでエコキュートを使いたい方におすすめです。
東芝エコキュートの特色
東芝エコキュートの特色は、「コストパフォーマンスに優れている」ことです。2023年時点で販売しているシリーズは以下のとおりです。
- プレミアムモデル
- ハイグレードモデル
- スタンダードモデル
- ベーシックモデル
- 給湯専用モデル
- オーバルスリムタイプ
東芝エコキュートはプレミアム、ハイグレード、スタンダード、ベーシックの4種類があり、ハイグレードとスタンダードにだけ貯湯タンクユニットが薄型の機種があります。
2023年8月時点で東芝エコキュートのハイエンドモデルは「HWH-X376HA-R」になります。プレミアムモデルで、次のような機能を搭載しています。
概要 | |
光タッチリモコン | スタイリッシュなデザインのリモコンユニット |
銀イオンの湯 | 除菌や防臭効果のある銀イオンの湯が出てくる |
パワフル給湯タイプ | 300kPaの水圧でシャワーが利用できる |
保証期間5年 | メーカーの無償保証期間が5年と長い |
東芝エコキュートの最大の特徴は「銀イオンの湯」を搭載していることです。貯湯タンクユニットに搭載された装置により、浴槽内部に除菌や防臭効果のある銀イオンが発生するので、残り湯が翌朝でも清潔な状態を保てます。
給湯を管理するリモコンユニットがスタイリッシュなデザインの「光タッチリモコン」になっていることも特徴で、光NAVIと声NAVI機能により操作をナビゲートします。
また、エコキュートは購入した時点でメーカー保証が付きますが、無償保証期間はメーカーによって次のように異なります。
リモコンユニット貯湯 | ヒートポンプユニット | タンクユニット | |
---|---|---|---|
パナソニック | 1年 | 3年 | 5年 |
三菱 | 2年 | 3年 | 5年 |
ダイキン | 1年 | 3年 | 5年 |
コロナ | 2年 | 3年 | 5年 |
日立 | 1年 | 3年 | 5年 |
東芝 | 5年 | 5年 | 5年 |
大抵のメーカーがリモコンユニットは1年~2年、ヒートポンプユニットは3年で無償保証期間が切れますが、東芝だけは3つのユニットの保証期間が5年間と最長です。
東芝エコキュートは他のエコキュートに比べて機能数や性能が優れているとは言えません。しかし、UV機能を搭載し、水圧は300kPaとなっており、メーカーの無償保証期間が5年間と長いことを考えると、コストパフォーマンスに優れているエコキュートです。
まとめ
以上が、エコキュートメーカーごとの特色です。次の表は、エコキュートメーカーごとの性能と機能数、バリエーションを三段階で評価し、特色をまとめたものです。
性能(年間給湯保温効率) | 機能性 | バリエーション | 特色 | |
---|---|---|---|---|
パナソニック | 〇 | ◎ | ◎ | 高性能でバリエーションが豊富なこと |
三菱 | ◎ | ◎ | ◎ | すべての面で優れている |
ダイキン | △ | ◎ | 〇 | 機能性とコストパフォーマンスのバランスが良い |
コロナ | 〇 | △ | ◎ | バリエーションが豊富で、性能が高い |
日立 | ◎ | ◎ | 〇 | ほかのエコキュートメーカーにない仕組みでお湯を沸かしている |
東芝 | △ | 〇 | 〇 | コストパフォーマンスに優れている |
おすすめのエコキュートは三菱エコキュートとパナソニックエコキュートです。どちらも性能が高く、機能が充実しており、様々なバリエーションのエコキュートを販売しているので、ライフスタイルや家族の人数などにあった機種を選びやすいです。
ただし、三菱エコキュートとパナソニックエコキュートは相場が高い傾向にあります。エコキュートをお得に購入したい方は、ダイキンエコキュートや東芝エコキュートを検討してみましょう。
「エコのたつじん」では、メーカー正規品を低価格で販売しております。エコキュートに詳しいスタッフが対応致しますので、ライフスタイルや家族の人数などにあった機種をご提案できます。エコキュートに関して質問がございましたら、ご相談ください。