エコキュートはお湯を沸かすためのランニングコストを抑えることができ、便利な機能を搭載している給湯器ですが、冬場には凍結する可能性があります。
特に、冬場に氷点下を下回る地域では凍結予防を行い、万が一凍結した場合の対処法を知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、エコキュートが凍結した場合の対処法や予防方法を分かりやすく解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
エコキュートって凍結するの?
結論から申し上げますと、エコキュートは冬場に外気温が一定以下になると、凍結する可能性があります。
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器で、エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットと、沸かしたお湯を貯めておく貯湯式給湯器、給湯温度や湯量などをコントロールするリモコンユニットの3つで構成されています。
ヒートポンプユニットが外気を取り込んで高熱を生み出してお湯を沸かすと、配管を通じて各所にお湯が給湯されます。
問題は、給水・給湯時に使用する配管は外気に晒される場所にあり、外気温が氷点下を下回ると内部の水が凍ってしまい、お湯が出なくなることです。
正式な統計が公表されているわけではありませんが、凍結によってお湯が出てこなくなったという報告は毎年珍しくなく、何らかの対策を行う必要があります。
エコキュートが凍結するとどうなるの?
エコキュートの配管内部が凍結すると、次のようなトラブルが起きます。
- お湯が出なくなる
- 水も出なくなる
- エラーコードが表示される
- エコキュートが故障する
配管内部が凍結していると、お湯の給湯が出来ません。お風呂のお湯はりやシャワーだけでなく、脱衣所や台所などでもお湯が使えなくなるのは不便です。
また、凍結している箇所によってはお湯だけでなく水も出なくなる場合があり、住宅で水道が使えないという事態があります。ほかにも、エコキュートでエラーコードが表示され、正しく機能しないというトラブルも発生します。
凍結したことが原因でエコキュートの性能が劣化して、買い替えるケースも少なくありません。
エコキュートはお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられていますが、初期費用が高額な給湯器なので、なるべく長く使用してから買い替えるべきです。そのため、寒い地方に住む方は、エコキュートの凍結を解消するやり方や予防方法を知っておきましょう。
エコキュートが凍結しているのか確認する方法は?
エコキュートが凍結した場合、リモコンユニットにエラーコードが表示されます。
エラーコードとは、エコキュートで発生しているトラブルをアルファベットと数字の組み合わせで説明する表示です。メーカーごとに凍結の可能性があるエラーコードは異なります。
次の表は、エコキュートの主要メーカーごとの、凍結を指しているエラーコードをまとめたものです。
エラーコード | |
---|---|
パナソニック | F12、U22、H94など |
三菱 | P37、F06、F09、P16など |
ダイキン | HJ、FA、EC、C15、C16、E3、C45、C52、C55、C80、C81、U51、UFなど |
コロナ | E14、E16など |
日立 | Er15、Er24、HE22 |
東芝 | U:27など |
上記のエラーコードが発生する原因がすべて凍結とは限りません。
しかし、夜のうちに氷点下を下回っていて、上記のエラーコードが表示されている場合は凍結が起きている可能性はあると覚えておきましょう。
エコキュートが凍結したらどうする?
エコキュートが凍結した場合は、次の方法を試してみましょう。
- 解凍されるまで待つ
- 配管にぬるま湯をかける
- 修理業者を呼ぶ
上記の方法を順番に解説します。
解凍されるまで待つ
基本的に、エコキュートの配管が凍結した場合は気温が上がって解凍されるまで待ちましょう。
時間経過と共に気温が上昇すれば、凍結した部分が溶けていき、お湯が使えるようになります。
時間のかかる方法ではありますが、リスクが低く、手間がかからない方法なので、配管が凍結した場合は待ってみると良いです。
配管にぬるま湯をかける
気温の上昇を待つことができない、すぐにお湯を使いたいなどの方の場合は、配管にぬるま湯をかけて溶かしてみましょう。
なお、配管に特設熱湯をかけてしまうと、配管自体が破損する可能性があります。凍結している可能性がある配管の周りをタオルで覆い、ぬるま湯を上から少しずつ垂らして様子を見ながら行うと良いです。
修理業者を呼ぶ
気温が上昇してもエラーコードが表示される、あるいはエラーコードの対処方法で修理業者を呼ぶことが推奨されている場合は、エコキュートメーカーか販売業者に相談してみましょう。
気温が上昇してもエラーコードが表示される場合は配管が凍結している以外の故障が起きていると考えられます。
また、凍結した箇所によってはエコキュートに負荷をかけてしまい、故障が拡大する恐れもあります。そのため、取り扱い説明書でエラーコードの対処方法を確認し、修理業者を呼ぶといった指示がある場合は従うと良いです。
エコキュートの凍結の予防方法は?
エコキュートの凍結を予防する方法は以下のとおりです。
- 水を出しっぱなしにする
- 凍結予防運転を入れる
- 配管に保温対策を行う
上記の方法を順番に解説します。
水を出しっぱなしにする
エコキュートの凍結を予防する簡単な方法は、一晩中水を出しっぱなしにすることです。
氷点下でも川の水が凍りづらい理由の1つに、川の水が常に流れ続けていることが挙げられます。配管内部の水も動き続けていれば、氷点下の状況でも凍結しません。
ただし、水道の蛇口をそのまま開いても凍結対策にはなりません。エコキュートの凍結を予防するためには、次の手順で水を出しっぱなしにします。
- 1.リモコンユニットで温度を水まで下げる
- 2.蛇口の給湯栓を少しだけ開く
エコキュートのお湯側の配管を動かすことで凍結を予防します。そのためには、エコキュートの給湯温度を水まで下げてから、蛇口の給湯栓を少しだけ開きます。
給湯温度が高いまま給湯栓を開いてしまうと、一晩中お湯を消費してしまうため、朝になったら湯切れしてしまうリスクがあります。また、蛇口の給水栓を開くと、エコキュートの配管が動かないため、凍結の予防になりません。
温度を下げて蛇口の給湯栓を少しだけ開いて、1分間に200mL程度の水が出るようにしておけば、氷点下でも凍結する可能性は低いです。
凍結予防運転を入れる
メーカーや機種によって異なりますが、凍結予防運転機能が搭載されている場合があります。
例えば、パナソニックのエコキュートのフルオートタイプにはふろ配管の凍結予防運転機能が搭載されており、浴槽内部に残っているお湯や水を循環させて凍結を予防します。
循環口より10cm以上のお湯や水を残しておく手間はかかりますが、運転機能がオンになっていれば自動的に始めるので、安心できます。
機種によって凍結予防運転機能の有無は異なるため、冬場に氷点下を下回る地域に住んでいる方は、購入する前に確認しましょう。
配管に保温対策を行う
エコキュートの凍結を予防する最後の方法は配管に直接保温対策を行うことです。
配管を保護カバーで覆ったり、凍結防止用ヒーターを取り付けたりすればエコキュートが凍結する可能性を抑えることができます。
エコキュートを購入する際に、施工業者に依頼して設置してもらうこともできますが、ホームセンターで購入して、ご自身で設置することも可能です。
保温対策を直接行っておけば、水を出しっぱなしにしたり、凍結予防運転を付けたりする手間が省けます。
ただし、保温カバーや凍結防止用ヒーターが外れてしまうと効果を発揮できないため、定期的に確認しておく必要があります。
寒冷地仕様のエコキュートでも凍結するの?
寒冷地仕様のエコキュートでも、上記の予防方法を実行していなければ、配管が凍結する可能性はあります。
寒冷地仕様とは、外気温がマイナス25℃まで下がるような環境下でも使用可能なエコキュートのことです。
エコキュートは空気の熱を利用する給湯器のため、外気温が高いほど効率良くお湯を沸かします。一方、外気温が低いと性能が発揮でなくなり、一般地仕様の場合はマイナス10℃以下では正常に使用できません。
寒冷地仕様は貯湯タンクユニットに凍結防止ヒーターが内蔵されており、マイナス25℃までならお湯を沸かすことができる性能を有しています。
しかし、配管内部の水が凍結するリスクは一般地仕様のエコキュートと変わりません。寒冷地仕様のエコキュートを使用していても、凍結予防はしっかりと行いましょう。
エコキュートの凍結予防が必要な理由は?
エコキュートの凍結予防が必要な理由は、エコキュートを長く使用するためです。
エコキュートはお湯を沸かすためのランニングコストを大幅に抑えられる給湯器です。次の表は、お湯を沸かすための年間ランニングコストを給湯器ごとにまとめたものになります。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能やお湯の使い方によって異なりますが、関西電力エリアに住んでいる方がガス給湯器からエコキュートに買い替えると、年間約55,000円の節約効果が期待できます。10年使用できれば約550,000円の節約が可能です。
しかし、エコキュートは初期費用が高い傾向にあります。ガス給湯器の工事費込みの初期費用が150,000円~250,000円程度に対して、エコキュートは400,000円~700,000円程度です。
ガス給湯器に買い替えるよりも、エコキュートに買い替えたほうが初期費用は250,000円~450,000円程度高くなる可能性はあります。
つまり、エコキュートに買い替えた場合は、10年以上使用し続けることで初期費用の差額を回収でき、以降は節約効果を得ることができます。
エコキュートの配管が凍結してしまうと、お湯が出なくなるだけでなく、エコキュート自体に余計な負荷をかけてしまい、最悪の場合は買い替える必要があります。
エコキュートの初期費用の差額を回収するためには、なるべく長く使用し続けることが重要なため、凍結予防を行っておきましょう。
まとめ
以上が、エコキュートが凍結した場合の対処法と予防方法の解説になります。エコキュートが凍結した場合は気温が上がるまで待つか、凍結している可能性がある配管にタオルを巻いて、ぬるま湯をかけてみましょう。
氷点下を下回る可能性がある地域では、一晩中水を出しっぱなしにする、あるいは凍結予防運転機能を付けておくと良いです。また、設置時に施工業者に依頼して保温対策を行ってもらいましょう。
「エコのたつじん」は有名メーカー正規品が最短翌日工事可能です。数多くの設置実績があり、業界経験豊富なプロが対応いたしますので、エコキュートの設置を検討している方はご相談ください。